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※ 酒はのんでものまれるな
「ほらほらどーしたレイラ、早くしろよ」
「息子にこんな命令するなんて・・・!」
「いや〜お前だとは思わなかったな〜」
にやにやにやにや。絶対俺が2番だと分かっててやってる!!てか、むしろこの身内だらけの王様ゲームでそんなことを命令するのがまずおかしいんだ。と、いつもの俺なら思うところが、今日の俺は酔っている。そう、十六弥くんと同じ酔っ払いなのだ。
近くにあったグラスのワインをグイッとあおり口に含むと、十六弥くんに近づきニヤつく唇に噛み付く勢いで自分の唇を押し付ける。そのまま薄く開いた唇に滑り込ますように舌を入れると、口に含んでいたワインを流し込む。ワインが無くなり口を離そうとすると、差し込んだ舌を柔らかく噛まれ強く吸われる。
「んっぁ、ん・・・もうっ何すんのさ!」
「いや、ちょっと味見をな?」
油断も隙もない。逃げるように嵐ちゃんの隣に座り十六弥くんを睨みつけるけど、にやにやした顔が返ってくるだけだった。
「レイラ」
「ん?なに嵐ちゃ・・・」
名前を呼ばれ嵐ちゃんへと視線を移すと、急に顎を掴まれ嵐ちゃんの唇によって俺の言葉は飲み込まれた。そのままさっき十六弥くんにされたよりも更に激しく舌を吸われ、入ってきた熱い舌に口内をまさぐられる。急な事に驚きながらも大好きな嵐ちゃんとのキスに、周りにみんなが居ることもお構い無しに夢中で自ら舌を絡ませる。
「ははっなんだ嵐太郎は十六弥にヤキモチか?」
「ここには私達もいるのよー?」
亜津弥くんや玲弥ちゃんの冷やかす声が聞こえてくるけど嵐ちゃんは気にした様子もなくキスを続ける。
「ちょっと揶揄うつもりだったんだが、嵐太郎も意外と酔ってるな」
「十六弥君は悪い大人だなぁ〜」
十六弥くんは笑いながらワインを飲んで、隣の麻紀くんもにこにこにこにこ。全く目の前でキスをする俺達のことなど気にしていない。
「おい、嵐太郎〜そいつ連れて部屋戻ってもいいぞ〜」
「そうだね、もう大分飲んでるし子供達はそろそろ切り上げた方がいいね」
さっきまで周りの声をスルーしてキスをし続けていた嵐ちゃんが、十六弥くんのその言葉にピクっと反応する。長かったキスを止め、俺の身体を抱き上げると十六弥くんの方に近づいていき、
「おやすみなさい、こいつ貰っていきますね」
「程々にな〜」
チュッと聞こえたリップ音。見ると嵐ちゃんと十六弥くんがキスをしていた。・・・え、嵐ちゃんどうしたの。
すぐに離れると他のみんなにも挨拶をして、嵐ちゃんは俺を抱えたまま階段を登り俺の部屋へと向かう。
その頃俺達の居なくなったリビングでは、
「やば、あいつ顔色変わってないだけで本気で酔ってるだろ!」
「あははっ間違いない!」
「多分十六弥にキスしたの無意識よ!嵐太郎可愛いところあるじゃなーい!!」
そう、実は嵐ちゃんかなり酔っ払っていた。十六弥くんに自らキスをしてしまうくらいには。そして今、俺の部屋に辿り着いた嵐ちゃんはベットの上でまた先程のように俺にキスをしている。
「ん、嵐ちゃん、スるの?」
「スる」
先程の王様ゲームで既に服を身につけていない俺達。触れ合う肌から感じる体温がいつもよりも熱く感じるのはきっとアルコールのせいだ。
熱い唇が徐々に首元、鎖骨、と下がっていき、胸の突起に触れるか触れないかといった位置をさ迷う。俺の薄い胸を無理矢理手で肉を寄せ、出来上がった小さな盛り上がりにかぶりつく。
「あっ!」
急に起こった快感につい甘い声が漏れ、抱き込むように嵐ちゃんの頭を抱える。しかし自分から嵐ちゃんに胸を押し付けるような形になってしまい、更に強く乳首を吸われ痺れるような快感に身体が震えた。
「んぅ、ふ」
やばい、酔っているせいかムラムラが止まらない。しかもいつもよりも、敏感だ。
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