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※ 3

「気持ちいい?」 「最高だな」 そりゃ良かった。ゆっくり馴染ませるように動いていた腰が徐々に速く豪快に動く。気持ちいい。いつもだったら理性が邪魔をして、上に乗って腰を振るという行為には恥ずかしさを感じる。が、今はただただ快感を求めて腰が自然と止まらない。 俺の下で眺めるように微笑んでいる嵐ちゃんも酔っているけど、きっと俺も大分酔っている。今日はそういう事にしておこう。 火照った身体で動き続けているため全身にしっとりと汗が滲む。相変わらず俺の下で動くことなくこちらを見て微笑んでいる緩んだ顔にキスをする。熱い舌が絡み合いどちらのものかわからない唾液が口の横を伝った。角度を変えながらゆっくり目を開けると、柔らかいアンバーの瞳がこちらを見ていた。見られているとは気付かず、突然合った瞳に驚き思わず中に入ったままの嵐ちゃんを締め付ける。すると、 「んっ、ぁあっっ」 キスに夢中で動きの止まっていた俺の腰を掴み、持ち上げられると下から打ち付けるように腰を動かし始めた。突然の強い刺激に足の力が抜けた俺を、太くしったかりした腕が抱え直し、更に強く突き上げるように動き始めた。 「あっ、んぁ・・・は、んんっ」 「っはぁ、可愛い・・・」 腰を激しく動かしながらも俺から目を離さない嵐ちゃん。きっと過ぎる快感のせいで涙や涎を流す俺の顔は、今可愛くはないと思うんだけど。嵐ちゃんがそう思うならいーや。 「らんちゃっ」 「ん、イっていいぞ」 限界が近い俺のものを握り込み先端を抉るように刺激され、呆気なく手の中で欲望が弾けた。数秒遅れて俺の中にも暖かいものが広がる感覚に、嵐ちゃんも限界が近かったことを知る。 「っはぁ、はぁ」 「嵐ちゃん今日量多くない?」 「・・・そうか?」 運動したことによって大分アルコールが抜けた。まだ中に入ったままのものをきゅっと締め付けると、俺の下で嵐ちゃんの身体がビクッと跳ねる。もう一度締め付けてみるとまた同じように跳ねる。・・・ちょっと楽しい。 「っぅ、止めろ馬鹿」 「いてっ」 何回も繰り返していると怒られた。流石の嵐ちゃんもイった直後は敏感で辛いらしい。それでも未だにイって大人しくなったそれを抜こうとしないのが面白い。 「今日はもう勃たねぇよ」 「珍しいね」 「飲みすぎたな」 飲みすぎたと言いつつ二回は出しているので十分元気だと思う。そんな事を考えていると少しづつ瞼が下がってきた。アルコールを摂取すると眠くなるタイプなので、多分このままだとすぐに寝てしまう。どうにかゆっくりと身体を起こし、中に居座る嵐ちゃんを強制的に追い出す。 「眠いのか」 「ん・・・、シャワー」 ゆったりとベッドに寝ていた嵐ちゃんを起こし、覚束無い足取りでふらふらと部屋に備え付けられたシャワールームに向かう。後ろからついてきた嵐ちゃんも一緒に中に入るとさっと身体を流す。 シャワーを浴び終わると後ろからタオルで包まれ全身を拭かれる。されるがままの俺はまたふらふらとベッドに戻ると力尽きたように倒れ込んだ。もう限界。眠過ぎて髪の毛が濡れていることも気にならない。 うっすらと嵐ちゃんが何かを言っているのが聞こえるけど、眠さに負けた俺は気にすることなく眠りについた。 「ったく、風邪ひいても知らねぇからな」 そう言いつつも髪を優しく拭いてやり、布団の上に倒れ込んだ身体をしっかりと中に入れ、自分も中に入るとその身体を抱きしめる。少し体温の高めな嵐太郎に引き寄せられるように引っ付いてくるレイラに小さく笑いが漏れた。蒸し暑かった夏も終わり夜は少し肌寒い。寒がりなレイラが寒さで目覚めないように、その白い身体を抱きしめて嵐太郎も眠りについた。

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