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This is my hometown
「じゃあね!要、凌また休み明けに!」
「気をつけてね!」
「問題起こすなよ」
無事に寝坊することなく学校を終え門に迎えに来た、小太郎の運転する車で嵐ちゃんと共に空港に向かう。学園から空港までは2時間くらいかかるので軽く仮眠を取ろうと思ったけど、時差のことを考えると飛行機の中でも寝ておきたい。
「お前ならいくらでも寝れるから大丈夫だろ」
「だよね」
嵐ちゃんの許可もおりたので大人しく寝ることにした。車酔いするのも嫌だからね。
「レイラー!嵐ちゃーん!!」
「おつかれ」
空港にはすでにカエラとサハラが到着していた。この後は持ち物検査をした後そのままプライベートジェットに乗り込んで出発だ。待ち時間ゼロという有難さは親の権力フル活用ですありがとうございます。
「嵐ちゃん嵐ちゃん!嵐ちゃん英語喋れる?」
「あ、そういやそうだね!」
「俺達もサポートするけど」
今から行くのはイギリスだから、勿論言葉は日本語じゃない。別に俺が一緒に居るつもりだから話せなくても問題はないんだけど、話せた方がより便利なはず。
「No problem for everyday conversation.」
「「「おぉ!!」」」
流石嵐ちゃん!発音も完璧だ!!まあ天羽学園でSクラスをキープしてるんだから予想はしてたけど。
「それより、お前らが日本語以外話してるの見たことないぞ」
「え!?疑ってんの!?」
「英語もフランス語もイタリア語もドイツ語だって話せるからね!?」
「日本語の方が今までで出番少なかったくらいなんだけどな」
心外だよ嵐ちゃん。確かに日本に来てからは日本語ばっか話してるけど。来日するまでは英語圏で暮らしていたから、勿論英語は話せるからね!
夕方に飛行機が出発して飛行時間は約12時間。向こうに到着するのは夜中の予定。時差って不思議だよね。
初めはみんなで話したり映画を観たりと元気に過ごしていたけど、機内食で晩御飯をすませると眠気が。あまり寝すぎると向こうに着いた時に眠れないからと、嵐ちゃんは出来るだけ起きておくらしい。俺らはすぐに何処でも寝れるのが特技だしいくらでも寝れる。ほら、寝る子は育つらしいから俺いっぱい寝ないとだし。
何度か寝て起きてを繰り返すうちに無事に飛行機はイギリスに着いた。日本より若干気温が低いため機内で上着を着てから外へ出る。
「着いたー!!!」
「一年ぶりー!!!」
俺とカエラが真っ先に飛行機から飛びおり約一年ぶりの光景にテンションがMAX。やっぱ住み慣れた土地だからか、帰ってきた!って感じがする。
「サハラは何か叫ばなくていいのか」
「俺の分も込めて二人が叫んでるからね」
「確かにな」
もう!嵐ちゃんもサハラももっとテンション上げていいのに!今が夜中とか俺は気にしないぞ。
「うるせぇよお前ら」
二発目を叫ぼうとしたら背後から聞こえた声に口を閉じた。あぁ、今日も絶好調にえろえろボイスだね!
「十六弥くんだー!」
「テンション高いな」
久々といっても誕生日に会っているので約一ヶ月ぶりの十六弥くん。でもやっぱり会えた嬉しさで抱き着くとぐりぐりと頭を撫でられる。どうやら空港まで迎えに来てくれたみたい。
「今日はもう遅いからそのまま家向かうぞ。どうせ明日は朝から遊ぶ約束でもしてるんだろ」
「そう!明日はジェイデンとルイスと遊ぶんだ〜」
「エミリアも来れたら来るって」
「みんな元気かな」
ジェイデンとルイスはよく一緒に遊んでいた友達で、俺達の三つ年上の大学生。ストリートバスケで知り合って、ジェイデンはモデル仲間でもある。
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