38 / 38
第38話
「はぁ、あ。敏、樹さん……ッ」
「ん、崇……」
唇を食み、舌を絡めてキスをした。
唾液の線が顎をつたい、水音がぴちゃくちゅと静かな部屋に響く。
「ふぅ。結愛とも、こんなキスしてるの?」
「もっと、穏やかですよ」
僕が獣になれるのは、敏樹さんの前でだけです、と崇は頬ずりした。
その言葉に、再び敏樹が崇を抱きしめキスをしてきた。
「もう……。飲みに誘ってくれたんじゃなかったんですか?」
「そうだね。ちょっと喉を潤そうか」
二人はようやく離れ、仲睦まじくリビングへと向かった。
篠崎 崇は、恋をした。
そして、実った。
ともだちにシェアしよう!