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第38話

「はぁ、あ。敏、樹さん……ッ」 「ん、崇……」    唇を食み、舌を絡めてキスをした。  唾液の線が顎をつたい、水音がぴちゃくちゅと静かな部屋に響く。 「ふぅ。結愛とも、こんなキスしてるの?」 「もっと、穏やかですよ」  僕が獣になれるのは、敏樹さんの前でだけです、と崇は頬ずりした。  その言葉に、再び敏樹が崇を抱きしめキスをしてきた。 「もう……。飲みに誘ってくれたんじゃなかったんですか?」 「そうだね。ちょっと喉を潤そうか」  二人はようやく離れ、仲睦まじくリビングへと向かった。  篠崎 崇は、恋をした。  そして、実った。

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