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第10話

 海は昨日と同じ時刻の電車、同じ車両に乗り込んだ。  今日は、あのキモいおっさんを、痴漢として吊るし上げてやる!  そんな風に、息まいて待っていた。  そこへ、背後に密着してくる人間がいる。 「やっぱり来てくれたんだね。おじさん、待ってたよ」 (き、来たッ!)  背後の男は、早々に海のスカートをめくり上げている。 「きみが来てくれると思って待ってたら、おじさんこんなになっちゃった」  すばやくトランクスを下げ、男は海の双丘の谷間に勃ち上がったペニスを押し当てて来た。 「……やッ」  ずるりずるりと、男のものが谷間を擦り上げる。 「やッ。いやぁ……ッ」  痴漢です、と大声を上げるつもりだったのに。  だのに、喉を通る声は弱弱しい。

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