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第23話

 駅のトイレで着替え、海はいつもの電車に乗った。  いつもの車両。  いつもの時刻。  ただ、いつもと違うのは、遠くから海を見守る眼があることだった。 (痴漢退治、いつまで続けるつもりだ?)  降りた時、もう危ないからやめるように言おう、と永亮は考えていた。 (ん?)  海の様子が、おかしい。  眼を閉じ、唇を開いて震えている。 (具合が悪くなったのか!?)  電車がカーブし、人ごみが永亮の前に壁を作る。  これでは、海が見えない。  永亮は、がんばってじりじりと海のいる方向へ移動していった。

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