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第28話
「宇美、ちょっと1階に行っててくれる?」
「なんで?」
「こんばんは」
「あ! 仙道さん!」
なるほどね、と宇美はうなずいた。
「いいよ。ごゆっくり~♡」
「もう! 変な声だすなよ!」
とんとんとん、と軽やかに1階へ降りてゆく宇美の足音を聞いていた永亮は、海に訊ねた。
「宇美ちゃん、もう大丈夫なのか?」
「うん。友達と電車に乗るようになってから、痴漢には遭わないって言ってた」
「良かった。お前の働きも大きいんじゃないのか?」
「もうそれは言わないでよ」
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