33 / 34

第33話

「よう、海。帰ろうぜ」  放課後、永亮が海のクラスへ迎えに来た。 「あ、今日は女子制服着てないな。良かった」 「永亮。サッカーは?」  きょとんとした海に、永亮はさらりと言ってのけた。 「あぁ、辞めてきた」 「辞めた!?」  まさか。  まさか、僕のために。 「これで、毎日一緒に帰れるな」 「ダメだよ! 僕のせいで、そんな!」 「海のせいじゃないよ」  これは自分で決めたんだ、と永亮は言った。

ともだちにシェアしよう!