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第漆話
綾女視点
自分の右隣が異様に冷たくてそこにあるはずの体温を手を動かし探すが見つけられない
重たい瞼を持ち上げ目を開けると
ベットには俺一人だけだった。
心臓が不穏な音を立て騒ぎ始めるキッチン、
バスルームどこを探してもいない
帰ってくるかもしれないと待って見ても
戻ってきてくれる気配が見えない……
雪夜に捨てられる
一瞬そのことが頭にかすり急に怖くなった
俺にとって雪夜がどれだけ重要なのか
等の本人はそんなに気が付いていなくても
俺は雪夜がいないと生きて行けない
だから雪夜を引き止めるために、
雪夜の気持ちがまだ俺にあるのかを確かめる
ために俺は、浮気を繰り返してしまう、
雪夜の目に他の誰かが一瞬でも映ってしまう
のが怖かった。
俺は再びベットに戻り現実を見たくなくて考えたくなくて目を閉じた。
するとすぐに、ノックの音がなった。
もしかしたら雪夜かもしれないと勢いよく
起き上がり扉を開けるそこには清掃に来た
俺の部屋専用の従業員だった。
俺は目に見えるほど落胆しベットに戻りまた、目を閉じ従業員に声をかけた。
「なぁ、俺と一緒に来た奴知らない?」
従業員は背筋を正すと口を開いた。
「お連れの方でしたら朝早くに出ていかれましたが?」
なんの情報も聞き出せないままやる気が起きず力を抜いて深呼吸をした。
すると従業員がベットサイドによって何か拾い上げた。
「あの、綾女様、こちらの手紙は廃棄でよろしいでしょうか?」
俺は一瞬従業員が何を言っているのか
理解が出来なかった。
手紙なんてもらった覚えがない
もう一度起き上がり従業員が持っている手紙を取る宛名がなくてもわかるこの字は雪夜のだ。
俺は手紙に書かれていた一行を理解するのに数秒かかった指先の温度がなくなっていくのがわかる手紙には綺麗な書体で少し距離を置こうと書かれていた。
雪夜に聞きたいことがいっぱいあった
いつまで?どのくらい?そんなことが頭の中
をずっと回っていた。
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