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第12-1話●驚愕の二択、実質一択
「やめろよ……っ、俺、男とヤりたくないからな! お前だって俺を相手にするの嫌だろ?! ってか、俺が問答無用でされる側って――」
「俺は別に構わないが? 俺は今まで他人に興味を覚えなかった……が、勘違いとはいえお前には幾分か興味は湧いた。何も感情が湧かない人間を相手にするより、少しは感情を覚える相手のほうがマシだ。それが苛立ちであろうがな」
イライラする相手のほうがマシって……理解できねぇ。まさかリンチ的な感覚で俺と初夜を迎えようとしてるのか? コイツ、頭おかしい。世界が違う住人っていうの抜きにしても、思考回路が常人と違うぞ?!
どうにか逃れようとジタバタしてみるが、ケイロにのしかかられて抜け出せない。細身の割に力が意外と強い。俺、一応野球部でそこそこ鍛えてるほうなんだけど。コイツに力負けするなんて、なんか納得いかねぇ。
抵抗を諦めない俺の顔を覗き込みながら、ケイロが抑揚のない声でさらりと伝えてくる。
「ひとつ言っておくが、俺を拒むのはお前のためにならいからな?」
「ど、どういうことだよ……?!」
「王族である以上、互いに好まぬ相手と婚姻を結ぶこともある……その際、相手が裏切ることがないよう、この婚姻には制約がつく」
制約……? 嫌な予感しかしないんだけど。
俺が背筋をゾッとさせていると、ケイロの手が俺の下腹を撫でた。
「定期的にお前の体内へ俺の精を注がないと、指輪が婚姻継続の意志なしと判断してお前の命を奪う。死にたくなければ抵抗を諦めろ」
オ、オイオイオイ……死ぬか中出しされるかの二択って理不尽過ぎるだろ?!
人が何も知らないのをいいことに、俺の人生を詰ませるなよぉ……。
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