23 / 121
第13-1話●魔法がズルい
少しでも何かに触られると体が勝手に疼いて、頑なに抵抗したがる俺を壊していく。
あまりにも急すぎて、思わず「ごめん、待って……っ」と裏返った声で訴えるが、
「俺に命令するな。こんなにあっさり崩れて面白くなってきたのに……どこまで乱れるんだろうな?」
手を止めるどころか、ケイロは無慈悲に俺の体に手を這わせ、首筋に吸いつき、俺をおかしくしてしまう。
着ている物を全部脱がされた時には、もう俺の息は絶え絶えでぐったりしていた。
せめて見せたくない所――特に、あっさり快感に負けて完勃ちしたムスコ――を手で隠したいところだが、腕に力が入らないし、そもそも自分から動いても体が感じて墓穴を掘っちまう。
このロクでもない体にしたケイロを睨みつけるが、潤んだ目でそれをやってもコイツを喜ばせるだけだった。
「そんな恨めしそうな顔をしてどうした? 早く俺と繋がりたくてたまらないか?」
「ち、ちがう……そんなワケない――あァ……っ」
「前よりもこっちを触られて良い声を出されても、説得力がないな」
うぅ……尻を撫でられて思わず変な声を出してしまった俺自身が恨めしい……っ。
元に戻ったら覚えておけよ! と俺が怒りと恨みを募らせていると、ケイロの唇がかすかに動く。小声で早口すぎて聞き取れない。
またロクでもないことをされそうな気がして、思わず逃げようとずり上がってしまう。でも無駄な足掻きだと言わんばかりにケイロは俺の肩を押さえ、もう片方の手を俺の尻へと伸ばしてくる。
「やめ……っ、んな汚いところ、触んなぁ……ッ」
「心配するな、すぐにきれいになる」
……どうしよう、嫌な予感しかしない。
ケイロの不穏な発言に内心冷や汗をかいていると――にゅるり。生温かくて粘ついた何かが尻の割れ目に貼り付き、俺の中へと這い入った。
ともだちにシェアしよう!