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第17-1話手放す気がない奴

 他のヤツなら大丈夫なのに、ケイロに近づかれるだけで感じる体に成り果ててしまった――症状が今朝と変わっていなくて、心の中で激しく絶望する。  おそらく魔法で強引に感じる体にさせられて、普通じゃあり得ない快感を与えられたせいで、体がイカれてしまったんだと思う。たった一晩の初夜でこの調子。これで回数を重ねたらどうなるんだと想像しかけて、すぐに思考が止まる。絶対に今より悪化するのは間違いない。  どうにかならないのか?! とアシュナムさんに視線で縋ってみるが、それはもう心苦しそうに顔をしかめられてしまった。 「太智殿には申し訳ないが、今すぐに婚姻を解消することはできない……先に我らの目的を果たさなければ――」 「えっ……? どっちか片方が死なない限り、離婚できないんじゃあ……?」 「確かにそういう制約ではある。しかし、手順は複雑ではあるが解除する方法は存在する」  ……おい、話が違うじゃねーか……まさかと思うが、不本意ながら俺と結婚したクセに離婚したくないのか?!  まったく理解できずに顔を引きつらせながらケイロを見れば、チッ……と舌打ちする姿が視界に入ってくる。すごく忌々しそうな顔して、不機嫌さ全開だ。 「……それには双方の同意が必要になる……俺は拒否するから、実質離縁は不可能だ」 「ワガママを言わないで下さい! この地での使命を果たした後、何日も不眠不休で説得させて頂きますから、どうかそのおつもりで……」

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