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第21-2話関係を持って分かるようになったこと

 だって体育に教科書はないもんな……保健体育ならあるけど、競技の詳しいルールや説明なんて書いてないもんな。それに転校してきてからバスケはまだしてないもんな。知らないことで、どう答えればいいかと苦慮しているといった感じだろう。  強制婚させられて深い関係になったせいで、ケイロの心の機微がなんとなく分かるようになってしまった。お互いにまだまだ知らないことたくさんあるのに……体の関係持つってスゲーんだなあ……なんて遠い目を心の中でしてから、俺は助け船を出した。 「確か、百谷って前の学校で部活はしてなかったんだろ? じゃあ俺と一緒にバスケやるか? ゴール下で手を伸ばすだけでリバウンドできそうだし、その気になればダンクもいけそうだし……どうだ?」 「……そこまで言うならしてやろう。決まりごとはよく分からんから教えてもらうぞ」 「ああ。放課後、部活やる前に少しレクチャーしてやるから、勝手に帰るなよ」  あくまで表向きは同級生で、仲は悪くもなく良すぎない程度に振る舞う。  ……白々しいやり取りだよなあとは思うが、俺の平穏を保つためには必要なことだ。  同級生の誰にも見えない、二人の左薬指できらめく指輪。弁当を食べながらチラチラと見えてしまうそれを妙に意識してしまって、指輪にからかわれているような気がした。

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