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第23-1話気持ち良すぎるのがダメなんだ
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キスでイかされた上に、もう俺の体がケイロに逆らえなくなっている現実を突きつけられたショックで、午後の授業はまったく頭に入ってこなかった。
ノート取るフリして、大昔のボクシング漫画にあったような真っ白燃え尽き状態で、俺は呆然とし続ける。
なんかケイロの言う通り、俺、アイツの嫁化が進んでないか?
脅されたとはいえ、真面目にまともな弁当を作ってるし、危ない目に遭わなきゃいいなと心配してるし……アイツに理不尽な目に遭わされて腹立ててるハズのに。
たぶん、あれだ。気持ち良すぎるのがダメなんだ。
魔法で感じる体にされたら嫌悪感なんか吹っ飛ぶし、成り行きで仕方なしなハズなのに、ケイロがスゲー嬉しそうに抱いてくるし……絆されてきてる自覚ある。アイツなんなんだよ? どうして好きでもない男を喜んで抱けるんだよ……。
王子様だから、一般庶民で異世界の住民な俺が物珍しいから遊んでいるんだろうな。うん。珍獣の反応を面白がって、自由に遊べない鬱憤を晴らしているに違いない。
……でも、その割には抱いてる時の目が優しいんだよなあ。普段は小馬鹿にした感じで見てくるクセに。
アイツ、本当は俺のこと、どう思ってんだ……? 知りたいけど、聞くのが怖ぇ……実は物好きで溺愛してますっていうのも嫌だし、愉快なオモチャに思われているって確定するのも嫌だ。
……ああ、考えるだけドツボにハマっていく。
今日最後の授業が終わる頃には俺の心の体力は空っぽで、生きる屍と化して机に突っ伏すしかなかった。
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