7 / 46

第7話 次の朝

 次の日の朝。  二人で作った食事を仲良く向かい合って座り食べているとき、おもむろに伊央利が言った。 「そういえば、昨夜おまえが寝たあと母さんから電話があってさ」 「え? そうなんだ?」  昨夜は玄関のあの行為の所為か異常に眠くて、俺は風呂から上がるとすぐに眠ってしまったのだが、伊央利は起きていたようだ。 「ああ。ほら来週の金曜日俺たちの誕生日だろ?」 「うん」  俺と伊央利は双子なので当たり前だが誕生日は同じ日だ。 「いつもの生活費とは別にお金を振り込むから、それで何かおいしいものでも食べに行って来いってさ。どうする?」 「うーん……」 「高級ホテルのレストランでコースメニューでも食いに行くか?」  いたずらっぽく言ってくる伊央利に俺は苦笑して答える。 「いらない。それより家で二人きりで過ごしたい。ケーキ買って、二人で料理作って」 「俺もそっちの方がいい。じゃそれで決まりだな」 「うん!」  俺は弾む心で返事を返した。

ともだちにシェアしよう!