10 / 24
第10話
それからも凌也は、答えにくい質問を次から次へとぽんぽん投げてきた。
初めての時は何歳ですか、とか。週に何回ひとりエッチしますか、とか!
40歳の翔吾には初めての時など遠い昔過ぎて思い出せないし、オナニーの回数なんてこの年齢になると、週単位ではなく月単位になる。
答えの代わりに、アルコールを一口二口飲んでは苦笑いをする。
そんな事を繰り返すうちに、ひどく酔いが回ってきた。
「兄さん……、大丈夫ですか、兄さん?」
「ん、あぁ。ちょっと、もう、寝ようかな」
いやにダブつく胃を鳴らしながら、翔吾はゆっくり立ち上がった。すぐに凌也が体を支えにやってくる。
(頼もしいもんだ)
あの小さかった凌也も、ずいぶん大人になったものだと酔った頭で感心しながら、翔吾は寝室へと向かった。
入ってすぐの壁を探って照明を付けたが、もうそのままベッドへ横になってしまった。
着替えるのも億劫だ。
ともだちにシェアしよう!