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第16話

 はぁはぁと息を荒げているのは、翔吾だけではなかった。  凌也もまた、荒い呼吸で兄の体に挑んでいる。 「あぁ……、兄さん……ッ」  時折、切羽詰った声でそう呻く。  翔吾の手の中に握られた凌也のものは硬く張り詰め、粘液をとめどなく溢れさせているのだ。 (俺を悦ばせようと、がんばってくれてるんだな……)  ぼんやりと、そう思った。  体を揺さぶられながら。  いいように喘がされながら。

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