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第17話

 凌也の指が体内から去り、ぐちゅりと新しくローションを捻りだす音がした。  いつのまにこんなものを、と思ったが、途中で立ち寄ったストアで買ったに違いない。 (あの時から、こうしようと考えていたのか)  いや、もっと前からかもしれない。  街灯の中歩く時。  二次会の時。  一次会で隣の席になった時……。  今となっては、どうでもいいことだ。 「兄さん、始めは痛いかもしれないけれど」  声は出さずに、頷いた。

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