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第22話 「反対色 2」

「あーおいっ」 「……あき」 告白してから数日がたった 今日も変わらず俺は図書館に居て お前が来てくれるのを待ってる 「今日こそは一緒に帰ろ」 「……ごめん。今日は先生の手伝いが……」 「え、まじかー……んじゃまた明日、かぁ…なかなか合わねぇなー」 すれ違いが、続く これはあれだろうか 神様の試練とかいうやつだろうか そうだったらとても酷い 昨日まで俺は図書当番で そして今日は用事で 恋人らしいことは一切出来ていない 今まで一緒に帰ったことのない亜黄が、せっかく誘ってくれているというのに この間に亜黄が目移りしたらどうしよう まだ数日しか経っていないのに そんなどうしようもない考えが浮かぶ だって見たことあるんだ 付き合った瞬間に冷めてしまう恋人 付き合う前までが楽しかったって なんか想像と違うって 想像と違う、なんてことは幼い頃から一緒にいたんだ。そんなことは無いだろう でも想いを返してもらわなかった時の方が楽しかった、なんて 有り得るかも、しれないだろう? 俺が落ちるわけないって思ってて、ゲーム感覚で、いつの間にかハマって クリアしたらもう良くなるかもしれないだろう? だってお前は人気者なんだ お前を好きなやつはいくらでもいる 「あーおーいー?」 「……ね、亜黄…すぐ終わるから、今日、ちょっと待っててよ……」 これは我が儘なんだろうか でもやっぱり、亜黄と一緒に帰りたい 「っ、……」 「……やっぱ、だめ?」 まあ、急にこんなこと言われても困るよな 「……ごめん何でもない忘れて、」 「うん、分かった。待ってるな」 「……え」 「どこで待ってればいい?」 「……え、と、昇降口、に」 「りょーかい!」 「……いーの…?」 「そりゃもちろん!俺だって青衣と帰りたい!!」 「……うん」 同じ気持ちで、いてくれた それが、とてつもなく嬉しい 「……亜黄…」 嬉しくて嬉しくて堪らなかったから、 「ん?」 感情が溢れ出してしまったから、 「……すき。だいすき」 「ふおっ!?!?」 ちょっとだけ、素直になってあげる

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