｢座って｣ ｢……何で？｣ ｢いーから座って｣ ｢あ、はい｣ ふてくされた顔で、ふわっ、と俺を包み込む ｢え…と、これは、どういう状況で……？｣ ｢ぎゅーってしてるの｣ ｢そーですね｣ ｢……嫌なの｣ ｢いや、逆にすげぇ嬉しいけど｣ ｢そ｣ あ、照れた 首に触れる髪の毛がくすぐったい 肩に顔をグリグリ押し付けるもんだから、余計に ｢何か不安？｣ ｢別に…………ただの嫉妬なだけだし…｣ ｢何それ可愛い｣ ｢可愛くないしっ！｣ ガバッ、と顔を上げて、そう反論する 顔が真っ赤だ そういうところが可愛んだよ 言わないけど ｢あいつとは別になんもないよ｣ ｢……分かってる｣ ｢高校の時同じクラスだっただけ｣ ｢でもあっちは絶対好きだもん｣ ｢俺が好きなのはお前だよ｣ ｢それも分かってる！！｣ ｢うおっ｣ 何度も、ぽかぽかと俺を叩く ｢でも嫌なんだもん！好きになるなとは言えないけど、やっぱむかつくっ！俺のだし！！｣ ｢っ、｣ なんて可愛い嫉妬をするんだか ちゃんと分かってるんじゃないか 俺が誰のものか ｢……そーだよ、俺はお前のもんだよ全部。だから心配すんな｣ ｢心配なんじゃないの。ただあからさまに好きですアピールしてくっつくのが嫌なの。ぎゅーしていいのも頭ぽんぽんされていいのも俺だけなの｣ ｢ …………お前はほんと、かわいいね｣ ｢だからかわいくな、っ｣ 可愛いよ、世界で一番 ｢ふっ、ん……ぷ、はっ……な、に急に、｣ ｢好きだよ｣ ｢ふぁっ！？｣ ｢大好き。愛してる｣ ｢な、な、ななな何｣ ｢俺を取り乱させるのも落ち着かせるのもお前だけだよ｣ ｢そ、あのっ、…だ、から何っ！？｣ お前だけだよ 俺がこんなに好きなのは ずっと一緒にいたいと思ったのは ｢好きだよ｣ ｢ひあっ、も、耳元で喋んないでっ｣ ｢大好き｣ ｢ね、も、やだぁ…｣ ｢愛してるよ、尚｣ ｢っ！！うぅぅぅ〜〜〜……ずるいっ｣ ｢尚は言ってくんねーの？｣ ｢だっ、う、……お、れもっ、……す、好き。大っ、好き、だ、よ…芙雪、くん……｣ ｢ふはっ、うん……ありがとー……｣ 他の奴には絶対にそんな顔見せてくれるなよ、と 常日頃思っているのです 俺はﾞ尚のものﾞ 尚は、ﾞ俺のものﾞ 俺だけの、可愛い可愛い、尚