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第4話 ドキドキ入学式②

校門をくぐっていくと、目の前には、 大きくて改装されたばかりの綺麗な校舎が ドーンと建っていた。 体育館は、校舎の奥らしい。 …それにしても、人がすごい…。 体育館へと続く道のりには、ずらりと人がいる。 …しかも、獲物を見る目付きで。 う、うぅ、こ、怖すぎるよ…。 彼らは2、3年生で、 部活動の勧誘をしているみたい。 食べちゃいそうな勢いで ビクついている1年生に声をかけている。 …あの道を通らないといけないなんて…。 少し佐々城くんの方へ近づく。 「な、なんだか…お祭りみたいに騒がしいね…。」 「あそこまで必死だと… 逆効果なんじゃないかな…? そーえば、けーちゃん、 何部に入るとか決めてる?」 「んー、迷ってる…かな。 とりあえず、文化部は決定かな~。 佐々城くんはどうするの?」 「けーちゃんと同じ部活に入りたいなっ♪」 「っ! ぼっ、僕も一緒の部活に入れたら嬉しいな!」 キラキラの笑顔で嬉しいことを言ってくれる佐々城くん。 佐々城くんと同じ部活かぁ~ そんなの、嬉し過ぎるよ~! でも、佐々城くん、前はサッカー部に入ってたのに、高校では、入らないのかな…? ――と、話している間に、部活動勧誘ロードの入り口に…。 すると、新しい獲物を狙って、僕らを見た先輩方は…目をキラリと光らせると、 更に興奮して(僕らに向かって)大声を出し始めた…。 なぜか、女子も男子も…。 「女子バスケットボール部、男子マネージャーも大大大募集してるよっ!」 「君っ!いい身体してるね~! ちょっと、服、脱いでみない!? バレーボールに向いてると思うぜっ!」 「男子ハンドボール部にぜひとも入ってくれっ!俺たちと一緒に青春を駆けようじゃないかっ!!」 う、うう…。すごい迫力だ……、波に押し潰されそう……。 チラリと佐々城くんを見ると、 爽やかな笑顔で丁重に断っていた…。

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