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第114話

 「愛都、どこに行くんだよ。授業サボるんなら俺も一緒にサボる」  「ダメだ。お前はここにいろ」  「でも...」  授業が始まる3分前。愛都の携帯には叶江からの連絡がきていた。  要件は一言“屋上に来い”とだけ。  べたべたとひっつく綾西を置き1人屋上へと向かおうとしていたのだが...  どこに行くのか、誰に会いに行くのかと、内容をしつこく聞いてきた。  てきとうに答えても、ついていくと言い張るばかりで中々言うことを聞こうとしない。  かといって、捨てるぞ、と脅しをかけでもしたらこんな公共の場で泣きつかれてしまうだろうということは目に見えている。    そんなことになってしまえば、一気に人が集まって状況は悪化するばかりだ。  しょうがない、と肩を下ろした俺はあたりを見回し、人気がないことを確認する。  「ねぇ、愛都教えて...――って、え...んんっ!」  綾西の頬に手を添え、押しつけるようにして唇を重ねる。  戸惑っている綾西のあいた口の隙間から舌を入れ、中を蹂躙すれば綾西のくぐもった声が耳の中を通っていった。  「ふっ...ぅ、ん...んん...っ、」  綾西は漸く状況についてきたのか、リードをつかもうと責めてきた。  強く吸われる舌。上顎を舌で擦られ刺激される。 頭にまわされる手の力は強まり、キスはどんどんと深まっていく。  どちらのものかもわからない唾液が口腔にたまり、思わず吐き気が込み上げた。  キスに夢中になり、愛都の唇を貪る綾西の胸を叩くが、気がついていないのかそれともわざとか、綾西は構わず行為を続ける。  終いには腰に綾西の主張し始めたものを擦りつけられ...  「ひぃ゛っ...あ゛...っ、」  「調子に乗るな。ほら、早くお前は教室に戻れ」  愛都は綾西のそこを強く握り締めた。  途端、綾西は目に涙を浮かべ、強く握られたそこをおさえる。  「もし何かあったら連絡する。その時はすぐに俺のところまで来い。」  「...ぅ...わかった、」  痛みの余韻があるのか、掠れた声を出す綾西だったが、先程のキスのことも頭に残っているのか表情は恍惚としていた。

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