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第140話

 「うっ...く、ぁ...あ″あぁッ、」  声を掛けることもなく、愛都は綾西の熱い昂ぶりを自身の中へと突き入れる。  めりめりと肉が開かれ、人間の体についているとは思えない、熱く硬くなったものが中を犯す。  何度性行為をやろうと緩むことのない、中の締りに綾西はこらえきれず体を僅かに痙攣させた。  「愛都、動いて...」  その言葉と同時に、愛都は片手を綾西の腹において、上下に体を揺する。  はじめは緩やかな振動。しかし次には大胆に、徐々に大きくなり、内壁をひどく擦った。  自身で動き、奥を突き上げさせる度に、頭の中が真っ白になった。  「ぁあッ、あっあっ、あっ」  普段の冷静さをすべて捨て、愛都は一時の快楽に身を任せていた。  すぐに自身のいいところを探し当て、強烈な快感に支配される。  「えろ...っ、」  「んッ、あぁあっ!」  不意をついて綾西は体を抉るように腰を遣ってきた。敏感な粘膜を荒々しく穿たれ、びくんと背中がしなる。  仰け反った愛都の喉元には透明の汗の粒が流れた。  思わぬ刺激に腰は震え、一瞬動きが止まる。  「あっ...ダメ、我慢できない」  「ひっ、あっ...はや...あっあっ、ぁああ...ッ、」  その一瞬をついて綾西は一度自身を中から抜くと、愛都を押し倒し、休む間もなく再び奥まで熱いものを突き入れた。  送り込まれる律動は先程とは段違いに激しく、間隔が狭まっていく。  腰が上がるほど体を曲げられ、濡れそぼったそれが綾西の腹部に痛いほど擦られた。  「まな、と...ッ、イク...ぅ、あぁッ、」  そして耳元で小さなうめき声が聞こえ、体の奥に熱が広がった。2人の胸には愛都の精子が飛び散っていた。  吐精しながら、緩く腰を動かし続ける綾西。しかしそれはいつもよりもやけに長く、そして質量があるように感じた。  「いつまで、出してんだよ...犬かよ、」  とろけたような表情。未だに中でいきり立つ存在。  今日は寝られそうにない、ということは嫌でもわかった。  ― 次からはもう少し条件を出そう  再び律動を体に感じながら、ぼんやりとそんなことを思った。

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