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第19話

「そんなんで、力出ますか?」  海斗は、和風パスタのことを言っているのだ、と尊は一呼吸後に気が付いた。 「俺、いつも昼はカツカレーなんです」 「そうかよ」  二人で、眼の前の食事を口に運びながら話した。 「何で、女子制服なんか着てたんですか」 「別に、いいだろ。お前こそ、何で俺のこと犯したりしたんだよ」  せめてカツアゲくらいにしといて欲しかった、とため息をつく尊に、海斗は頭を下げた。 「すみません。チャンスだと思ったんです」 「チャンス?」 「俺、以前から斎藤さんのこと好きで。それで」  かちゃん、と尊はフォークを取り落とした。 「そういうこと、飯食いながら言う!?」 「飯食いながらだと、自然に話せるかと思って」  カツカレーをもぐもぐさせながら、平気で愛の告白をする海斗。 「お前、普通じゃないな」 「そう言う斎藤さんだって」

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