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第36話

 終わった後も、しばらくは二人で寄り添い、抱き合ったりキスをしたりしていた。  そんな中、海斗がふと以前聞いたようなことを言ってきた。 「斎藤さん、どんなタイプが好みですか?」  確か、昼休みに食事を摂りながら喋ったことだ。  尊は、にっこり笑うと、言葉遊びに乗って来た。 「束縛しない人」  尊が解ってくれたことを知ると、海斗は重ねて以前も訊ねたことを繰り返した。 「斎藤さん、デートするならどこですか?」 「部屋でのんびり」  そして。 「斎藤さん、俺のことどう思ってますか?」  以前は、『レイプ魔』と答えた尊だ。  海斗は息を詰めて返事を待った。 「……恋人」 「斎藤さぁん!」  ぎゅう、と海斗は尊を抱きしめた。  尊も、海斗を抱き返した。  二人に、大切な人ができた瞬間だった。

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