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第28話
輪ゴムで巻いて欝血させておいたので、出血はほとんどない。
まるでおもちゃのように体から離れた分身を見て、江頭は吐いた。
「お、おうぅ! ッげ! げぇええッ!」
「汚ねえなぁ」
健はそんな哀れな江頭から引き抜くと、吉乃に向かって一言かけた。
「まだ、いたぶる?」
吉乃は青い顔をして、首を横に振った。
あの葉月さんが、こんな恐ろしいことを。
信じられなかったが、胸のすく思いだった。
江頭さんは、天罰を受けたんだ。
自分の吐いた汚物にまみれて、気絶している江頭。
去勢されれば、もう新しい被害者が出る事もないだろう。
気づくと、健が横にいた。
彼に手を取られて、吉乃はマンションを離れた。
二度と、訪れることのない場所から離れた。
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