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第5話
響は、コンビニで買ったビニール傘をぐっと手に取った。
「この傘に! ケロタンを描いて欲しいんだ!」
「……」
沈黙が、重い。
やはりダメか。
高尚な芸術家には、アニメのキャラクターなんか描けないのか!?
「何、それ」
「え、っと……」
「ケロタン、って何?」
そんな!
この日本に、いや世界にケロタンを知らない人間がいるなんて!
「『すすめ! ケロタン』って言うアニメ作品で……」
「あぁ、そうなの。ごめん、サブカルとかあんまり興味なくて」
「そ、そう」
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