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第4話
「塚本くん、お願いがあるんだけど」
「何?」
響は、すぅと息を吸い、思い切って告白した。
「描いて欲しい絵が、あるんだ!」
へぇ、といった風に、豊は響に向き合った。
「何かな。水彩? 油彩? モチーフは?」
専門的な豊の反応に、響はすくんだ。
中学生の頃から、美術部で活躍していた塚本くん。
いろんな賞を獲って、トロフィーを抱えて新聞にまで載った塚本くん。
そんな芸術の申し子に、こんなお願いしていいのか、僕!?
勇気だ、僕!
ジャンピング・勇気!
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