3 / 32

第3話

「傘。傘の元宮、って」 「あぁ……」  自分が傘の事で、人にいろいろ言われていたのは知っていた。  正直、名誉なことではないかもしれない。  だが、そのおかげで、塚本くんに覚えてもらっているのなら願ったりだ。 「塚本くんは、また美術部に入るの?」 「一応、そのつもりだ」  思いのほかフレンドリーな豊に、響はつい急いてしまった。  さぁ、そこで一言。  塚本くんに、打ち明けるんだ。僕!  ジャンピング・勇気だ!

ともだちにシェアしよう!