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第16話

「俺には才能がないんだ! もう美術なんか辞めてやる!」 「そんなことないよ! 中学生の頃、たくさん賞を獲って全校の前で表彰されたじゃないか!」 「あんな児童画……、いい気になってた自分が呪わしい!」 「落ち着いて、塚本く」  ん、の音と同時に、豊が響に圧し掛かって来た。  それだけではなく、響の首に両手をかけて絞めて来たのだ。 「モデルも悪いんだ!」 「待っ、塚! ……ぅぐッ!」  恐怖に駆られて、響は必死で豊の下から這い出した。  四つ足で、ばたばたと足掻いて豊から離れようと頑張った。  しかし、豊は諦めずに背後から響を再び抑え込んだ。  

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