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第一章 恋のレッスン

 神原 秋也(かんばら あきや)はワインを飲み干したグラスをローテーブルに置くと、うんと伸びをした。  だらだらと飲み続け、結局一瓶開けてしまった。  どさりとソファに背を預け、髪をガリガリと掻く。  明日があることだし、もう寝るか、と考え始めた矢先に突然ドアが開け放たれ、一本木 拓斗(いっぽんぎ たくと)が転がり込んできた。 「何だ、お前は。ノックもせずに!」  固い事言うな、と笑う拓斗の顔は薄ら赤く息は酒臭い。  どうやら飲んだ挙句にやってきたらしい。  その後ろから顔をのぞかせたのは、守岡 玲(もりおか れい)。二人で飲んでいたのか。 「聞いたぜ、秋也。お前、植村と付き合ってるんだって!?」  秋也はその言葉にげんなりした。  まさかこうも早く、この男に知られるとは。  冷やかされるのは目に見えていたので、秘密にしておきたかったのだが。

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