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第一章・2

「付き合うなんて、まだ。明日、一緒に食事をする約束をしただけだ」   勝手に室内にあがりこみ、勝手にグラスにワインを注ぎ、勝手に一杯やった後、拓斗はにやりと笑った。 「食事だと? そいつはもちろん、ディナーだろうな?」 「一応夕食だ」  ひゃひゃひゃ、と愉快そうに声を立てて笑いながら、拓斗はバンバンとテーブルを叩いた。  グラスが揺れ、零れそうになるワインを守りながら、秋也は逆にどんどん不機嫌になっていく。  2杯目のワインをグラスに注ぎながら、拓斗は秋也を見上げ、からかうような声を立てた。 「ディナーの後は、もちろんお持ち帰りだよな?」 「お持ち帰り?」  とぼけんじゃねぇよ、とワインを一口。 「女がディナーOK、って事はだな、その後のベッドインもOKよ♪ ってぇ事じゃねえか」 「ばッ馬鹿を言うな!」

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