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第一章・24

「やばい。俺、もうダメかも」 「くッ!」  拓斗が大きく震えるのと、秋也が喉の奥で呻いたのは、ほぼ同時だった。  二人は玲の中に勢いよく吐き出した。  一滴残らず絞り出した後息をつき、ようやく玲からその身をはがして解放する。  上の口と下の口とで、たっぷりと二人を受け止めた玲は、引き抜かれた後ぐったりと身を横たえた。  細かく体を震わせ、余韻に喘いでいる。  だがその顔は恍惚として満足げだ。    昂ぶりに耐え兼ね流した涙の痕を指先で優しくぬぐう拓斗と、汗で頬に貼りついた髪を静かに梳いてやる秋也。  狂乱の後の安らぎが訪れていた。 「ねぇ……」  玲がささやく。  けだるい声は小悪魔的な響きを持っていて愛らしかった。 「同時だったんだから、二人で僕に奢らなきゃ。ね」  何とまぁ、ちゃっかりした事か。  拓斗と秋也が、こいつには勝てない、と悟った瞬間だった。

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