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第一章・25

「なぁ、そろそろいい時間じゃねえか?」 「だね」  拓斗と玲は軽く一杯やりながら短い言葉を交わした。  ここは秋也の部屋。  玲は一日ぐったりと寝室を占拠して、拓斗と秋也を顎で使った。  夜通し散々苛めまわされてクタクタで、体中が痛いのだ。  元凶の二人をこきつかっても、バチは当たるまい。  何とかようやく体が動くようになった玲は、拓斗とともに夕刻から出かけて行った秋也のデートの様子をいろいろと語り合った。  もう夕食は終わる頃だ。そろそろベッドにダイブしているだろう。 「あいつ、巧くやれんのかな」 「大丈夫。昨夜あれだけ練習したから」  皮肉を込めて、玲は拓斗を睨み付けた。  返事の代わりに黙ってグラスに口を付けたのは、さすがに悪かったと反省しているのか。

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