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第七章・19
はぁはぁと荒い息を吐いているのは、玲だけではない。
眼の色を変え、すっかり乗り気になってしまった秋也がここにいる。
そんな秋也に、拓斗はボウルを差し出した。
「秋也、クリームはたっぷり余ってるぜ♪」
「あぁ」
玲はぎょっとした。
あれだけ甘いものが苦手だった秋也が、こんなに大量のクリームを舐めきったのだ。
もう充分ではないか。
「もう済んだでしょう!?」
「仕上げがまだだろ」
「仕上げ!?」
「お前、ここまでやらせといてハイおしまい、じゃあアレだ。蛇の生殺しってヤツだろ」
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