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【後編】アルルン大好き♥
もしかして。
アルルンの南の島出向は~
「人間はアッツアツホヤホヤの新婚旅行を行うと聞いているが?」
アルルン……
アッツアツホヤホヤは死語です。
……って、そうじゃない!
「聞いてない!」
「言ってなかったか?」
スパダリ思考はどこまでスパダリなんだーッ
常人の俺には解読不可能だ。
つまりは……
「人間のお前には夜露を凌ぐ毛がない。
南の島といっても夜は冷える。アルパカの姿になった私には寒くない夜でも、人間のお前では体を冷やしてしまう」
俺を思いやってのベッド……に、俺は勝手に嫉妬してたんだ。
「それにしても、私の分身をこんなに大事に抱いて眠るオメガは可愛いが、少し嫉妬したぞ」
優しいキスの跡をカリっと噛んだ。
「私以外のものを大事にするな」
でも、これ。
「アルルンのぬいぐるみだよ」
「ぬいぐるみでもだ」
鎖骨に赤い花びらが散った。
アルルンが嫉妬してる?
それって、ちょっと可愛いかも。
「なにを笑っている」
「だって俺達」
似た者夫婦だから。
互いに互いを嫉妬する幸せな夫婦だね。
「今頃気づいたのか」
あなたの体が月光色を帯びた。
美しい月が窓越しに輝いている。
月も俺達に嫉妬してるのかな。あなたの瞳は月よりも美しい。
ねぇ、俺……あなたに出会えて幸せです。
心の声は聞こえない。
だから、ぎゅっと抱き返す。
トクトク奏でる心臓の音で「好き」と伝える。
あなたを、愛しています。
アルルンの心臓もあったかい。
俺に好きって言ってくれてるのかな?
「オメガの両腕は私を抱きしめるためにあるんだ。私以外のものを抱いてはいけない。分かったね」
「はい」
「オメガの手は……」
口づけが落とされた。
愛の誓いのように。
「ここだ」
アルルンの手に導かれた場所は……
「私自身を握るんだよ」
「ギャアアアァァァーッ♠」
お股にそびえたつ……おっきな、おっきな!!
「イチモツ」
「言うなァッ!」
ぽかっ
殴った俺は悪くない。
もう、せっかくいい雰囲気だったのにぃ~
「国王を殴れるのはお前くらいだ」
これは愛の特権だ。
アルルン大好き♥
《fin♪》
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