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【スペシャルセレクト】ヌメル……③
「わわわーッ」
なんだッ
どうしたッ
アルルンの雄……じゃない。手の中のナマコが突然!!
「動き出したーッ」
「うん、ナマコは生き物だからね」
「ワァァァーッ」
でもっ、このナマコ★
「煙出してるよー」
「ナマコは煙を吐くんだ」
「ほんと?アルルン?……ワワワァッ!」
ポムポムドロンっ
「嗚呼!なんたる不覚。お昼寝をしていたら、波に流されてしまったようですね」
真っ白な煙の中から出てきたのは、黒髪の青年!!
「クッ……」
お腹痛いのだろうか?
黒髪の青年が眉間に皺を寄せている。
「よりによって、この私がッ……」
「彼はナマコ族だ。海洋獣人は体が乾くと生命維持のためにヒト型になるんだ」
そっと耳打ちしてアルルンが教えてくれた。
ナマコ族の青年が、肩で息をしている。
体が乾いて苦しいのだろうか。
「高貴な私が、こんな醜い姿をさらしてしまうとはァァァーッ!!」
………………えっ
「きれい、だけど?」
「そこのお前!」
「はぃ~」
突然名指しされて、声が裏返る。
「ナマコ族は私達とは美的感覚が異なるようだ」
アルルンが耳打ちして教えてくれたけど、口に出してしまった後ではもう遅い。
フルフル
怒ってる。ナマコ青年が肩を震わせている。
ムギュウぅぅッ
「わわわーッ」
俺の体はすっぽり、彼の腕の中。
アルルンじゃない。
黒髪の!
「ありがとう。こんな醜い私に、優しい言葉をかけてくれて……波に流された私を救ってくれたのもお前だね。分かってるよ」
すぽーんっ
(なんでェェェー?)
おズボンがパンツと一緒に、どっかに飛んでった★
「お礼に私の高貴な子種をあげよう。私はナマコ族の頂点に君臨するヌメール王子だ」
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