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君の気持ち★俺の気持ち
「あれ、湊汰?」
家族で行った
ショッピングモールで
不意に名前を呼ばれた
振り返るとそこには
専門時代の恋人
佑紫が居た……
「あなたの知り合い?」
妻が聞いて来た。
「あぁ、学生時代の……」
そこで言葉が止まった。
佑紫は見た目はキレイだが男だ。
付き合ってたなんて
言えるはずがない。
「初めまして、
湊汰の専門時代の
"友人"で七種佑紫です」
俺が黙ってしまった間に
佑紫が話ていた……
"友人" として。
「そうなの」
妻は交友的だ。
「親友だったんですよ」
おい佑紫!?
「と言っても
十年振りなんですけどね」
チラチラと俺の方を
見ながら、妻には
笑顔で話てる。
「じゃぁ、
二人で話て来たらどう?」
俺達が"友人" だと
思い込んでる妻は
そんな提案をして来た。
「子供達はどうするんだよ」
俺達が話てる間、
ずっとゲームをしているが……
「心配しないで」
ゲームに夢中な
二人の頭を撫でて早く行けと
いうかの様に背中を押された。
「奥さんも
こう言ってくれてるし
久々に二人でご飯食べに行こよ」
腑に落ちない
気持ちを抱えるながら
俺達は飯を
食いに行くことになった。
着いたのは
昔よく来た定食屋だった。
「此処に来るのも久しぶりだな」
「僕もだよ」
久しぶりだったせいか話は
尽きるところを知らない。
十年とは案外
長いのだと思った。
話てて分かったのは
佑紫が独身で俺をまだ
好きだってことだ……
佑紫に呼ばれた時に
感じた予感はこれだったのか……
確かに、あの頃
お互い嫌いになって
別れたわけじゃなかった。
二年になってすぐ
佑紫は学校を辞めた。
理由は単に
合わなかっただけだ。
それから少しの間は
会ったりして居たが
段々と会わなくなった。
そして、
自然消滅という形で
終止符が打たれた。
まさか、未だに
俺を好きだったとは驚いた……
だけど、俺には
妻と子供達が居る。
しかし、今俺は
十年振りに
再会した元恋人と
今の妻との間で
気持ちが揺らいていた……
そして、俺は
最大の禁忌を犯す……
この後、佑紫の家に行き
そこで、十年振りに
体を重ねてしまうのだった……
END
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