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【ふーすけ先生はツンデレ悪魔】3(完)

 耳元でご機嫌に囁く悪魔は、揺れるフリルを眺めるために緩急を付けて由宇を可愛がり、いたぶる。  橘の背中に腕を回して必死でしがみつく由宇の体にはまだ、エプロンがかろうじて引っ掛かっているという状況だ。  元々可愛らしい見た目である由宇は、成人したとて中身も含めそれほど変わったとは言えない。  橘という悪魔に愛され続けて妙な色気が増した、という点だけは大幅に変わったかもしれないが。 「ふーすけ、せんせ……っ、変態オヤジ、みたいっ」 「あぁ!? 俺まだ二十六だぞ!」 「ウソつき……っ、先生、もう二十八、だよ! 俺が、二十歳、なったんだから……ぁぁあっ」 「チッ」 「あーっ、また舌打ち、ぁんっ、した! 可愛い恋人に、舌打ち、するなぁぁっ……んっ」 「文句言ってんのか喘いでんのか分かんねーな」 「どっちも、だよ……んんん……っ」 「そういうとこマジで可愛い。 一生文句言ってろ。 受けて立ってやる」 「わぁぁん……っ、俺様悪魔ぁぁ……!」  橘があまり言わない台詞が次々と投下されて嬉しいのに、揶揄いを含んだ三白眼のニヤけ面にはイライラする。  だが打ち付けられる熱が気持ち良くて、絶えず上ずった声が漏れて全身が汗ばんで震えた。  奥まで容易く届いてしまう橘の巨砲が、由宇の腹を破って突き抜けてしまうのではないかと不安がよぎるほどの素早い挿抜に耐える。  由宇に絶頂が近い事を、内襞の締め付けが知らせていた。 それに合わせて橘も性を追う。  わざと性器を覆うようにしている乱れたエプロンは、清潔そのもので純白だったはずだが由宇の一際高い嬌声でさらにいやらしく汚れた。 「───その悪魔に身投げしたペットはどこのどいつだよ。 俺の事すげぇ好きなくせに」 「……はぁっ……、はぁっ……好きだよ! ムカつくくらい好きだよ! こんな恥ずかしい格好してても、先生喜んでくれるといいなって頭に花咲かせて待ってるくらい、好きだよ!」 「それでいい。 俺、喜んだ」 「えっ……ほんと?♡」 「だからまだヤらせろ。 これぐちょぐちょになってねーんだよ」 「え、え、っ……も、もういいよ、先生が喜んでくれたんなら、もう……ぅわっ」 「俺の事好きなら黙ってしがみついとけ。 ついでに、満足したらぐっちゃぐちゃになった写真撮らせろ」 「はぁっ!? ヤダよ!」 「ホワイトデー奮発してやるぞ」 「えっ……♡」  絶頂を堪能した橘は、衰えない自身を握って素早くコンドームを付け替え、由宇の内に舞い戻る。  あたたかく、ぎゅっと締め付けてくるそこは橘の巨砲を喜び勇んで迎えてくれるようだった。  毎度分かりやすくデレデレする由宇が可愛くてたまらないけれど、せっかくのバレンタインだ。  この格好をしているからには、一度くらいあの台詞を言ってくれてもいいだろう。 「その前に、とりあえず今日は「ご主人様好きです」って言え」 「なっ!? それはもう言わなくていい流れだったじゃん!」 「言ったらいい事あるかもよ」  由宇は、やすやすと戻ってきた橘の巨砲を感じながら、両肩を掴んで数秒だけ考えた。  いい事ってなんだろう。  橘が機嫌良くそんな事を言う時、大概は由宇にとっては奇声を上げてしまう案件が多い。  ただ今日の橘は、由宇の喜ぶ「可愛い」を連呼してくれている。  もしかして、がある。 「…………ご主人、好き、……です……」 「俺も好き」 「えぇっ……♡ 先生……っ、あっあっ……ちょっ……余韻に浸らせて、くれても……!」 「浸っとけ。 どうせこれぐちょぐちょにするまで寝らんねぇんだから」 「そんな……っ、ぁあぁっ……んっ、やっぱ先生は、悪魔だ……!」 「ありがと」 「ほ、ほ、ほっ、褒めてなーーいッッ!!」  言ってくれた。  橘が、「好き」と言ってくれた。  半年に一度くらいしか聞く事の出来ないそれをもっともっと噛み締めていたかったのに、由宇の体は繋がったままくるりと反転させられてしまい、橘の顔すら拝めなくなった。  絶叫しながら枕に顔を埋めていじけた由宇は、橘の耳が赤くなった激レアな姿を見る事なく甘い声を上げる。  恐らくだが、橘は由宇の羞恥をかき消すほどには喜んでくれたようだ。  愛ある打ち付けによって精液まみれとなり、明け方解放されるまで脱がされなかったそれが、その証明だった。 2020/02/14 風助✕由宇 ʜᴀᴘᴘʏ♡ᴠᴀʟᴇɴᴛɪɴᴇ

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