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【二年目の記念日】4※
熱いキスに、蕩けそうだった。
俺は迅しか知らないのに、迅は一体俺で何人目の恋人なんだってくらいの遊び人だったから、キスだけですぐに相手をその気にさせてしまう。
俺も例に漏れずアソコが痛くなってきた。
ギュッと結ばれた革製のベルトが、感じる度にミシ、ミシシ…と音を立てて圧迫を強めてくる。
「やぁっ、も、っ…イきたい、…っイかせてぇ……っ」
「俺の質問には全然答えねぇくせに、何甘いこと言ってんだ。 お前に触れた奴って誰だよ。 言えよ。 は?」
「わ、分かったっ、言う、から……んんっ」
感じ過ぎてアソコが痛い。
迅の愛撫は口の中だけに留まらず、乳首にまでやってきて下半身がビリビリした。
舐めるんじゃなく、噛んでくるから痛みのビリビリも絶えず走る。
これ、早く言わないとずっと乳首噛まれ続けて、最後にはポロって取れちゃうんじゃないの…っ?
「痛っ…、っ……翼…! 翼だよ!」
「…………あ?」
「ちょっと前に、キスマーク見付かって、それで、……っ成り行きで…っ」
「…………は? アイツ俺らの事知ってんだろーが。 どこ触られたんだよ」
「お、お尻っ」
「は? それはもちろん布越しだよな?」
「……………………」
「まさか生で? は? なんでだよ、意味分かんねぇ。 どんな状況? は? なんでそれを雷も許した? は?」
「許したわけじゃねぇって! サラッと撫でられただけ! そのときにゾワゾワっとしたんだよ! …やっ、痛、い…っ、やぁっ…」
あんなのふざけ半分なんだから、こんなに目くじら立てて怒る事ないじゃん!
てか乳首取れちゃう、マジで取れちゃうよ…っ。
迅の舌がイライラしながら俺の体を這い回る。
前歯で乳首を噛んでくる。
ついでに喉仏にキスマーク付けられた。
すごい勢いで吸われて最後に噛まれたから、そうそうは消えないやつだ。
俺が接客業だって分かってる? 迅様…。
あーでも。
………痛いのに気持ち良くなってきた。
堰き止められた欲が全身を性感帯に変えていってる感じ。
飛びそう。 すぐ飛んじゃいそう……。
「アイツは明日ぶっ飛ばすとして、俺をシカトしてスマホスマホスマホだったのはなんで?」
「ひっ…っ…むぅ…っ、それ、それは…っ」
「雷にゃん、言わねぇとイかせねーからな? 浮気してたーなんて言ったらこのベルトごとコレ引きちぎるからな?」
「やだぁっ、やめて、それは、痛そ…っ」
こんなにキレた迅は初めてだ…!
いっつもこれでもかってくらい気持ち良くしてくれるのに、今日の迅は嫌だ!
痛い事ばっかするし、俺のアソコちぎろうとするし…!
俺はただ、迅に喜んでもらいたかったんだよっ。
こんな事してもらうためにコソコソしてたわけじゃないんだよっ。
「痛てぇってもんじゃねーぞ。 早く言え。 俺の気が変わらねぇうちにゲロっちまえ」
「んむぅっ……っ、…迅に、あげたくてっ…あの…っ…」
「は? 何を?」
ローションで濡らした指先がぐにっと入ってきたと同時に、俺も白状を開始した。
これ以上痛い事されたくなかった。
気持ち良いかもって思えたのはちょっとだけだ。
迅は俺を、冷たくするようでいてすっごく甘やかしてくれて、好きって気持ちいっぱいくれるから俺は…っ。
「記念日、だから…っ、来週、俺達の…っ記念日だから…!」
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