付き合って二年目の、記念日。 　もっさん達と一緒に、『雷にゃんも欲しい』って言ってくれてから、二年が経つんだよ、迅…！ 　そういうとこ疎い迅は忘れてしまってんのかもしんないけど、俺はちゃんと覚えてたんだ！ 「あ…？ 記念日…？」 「そ、だ！ 記念日、俺達の！」 「………………」 　毎日しつこいくらい連絡してきて俺にもそれを強要するし、ちょっと連絡が途絶えたり友達優先すると烈火のごとくブチキレる迅の独占欲が、俺は意外と嫌いじゃないんだ。 　付き合う前からそんな片鱗を見せてたけど、その時から迅と過ごす時間は結構好きだった。 　未だに「方向音痴」とか「喧嘩引き寄せ人」とかムカつく事も言ってくるけど、迅は俺の事一番大事だって全身で伝えてくれる。 　だから、好きなんだ。 　迅となら一生一緒に居たいって、そう思えるんだ…！ 「痛いの、やめろよ…！ も、やだ…っ、迅のバカ！ アホ！ ヤリチン！」 「悪口のレパートリー増やせよ。 それしか言えねぇの」 「うるさい！！ …や、だ…っ、指、抜いて…っ、今日はしたくないっ、…痛いもん！ …痛い事するの、も、やだ…っ」 　悪かったって思ってんの？ 　今さら優しくキスしてきたって遅いもん！ 　指抜いてって言っても抜いてくんないしっ。 　俺のいいとこを熟知した指先がぐりぐりと蠢く感覚によって、出したくもないのに勝手に口から喘ぎが漏れ出てしまう。 「何かプレゼントくれる気だったのか？」 「……もう、あげねぇよっ！」 「雷にゃん、悪かったよ。 ベルト外してやるから」 「嫌っ、ちぎるんだろ！」 「ちぎらねぇよ。 雷が浮気してたらって言ったろ」 「あ、そっか……んっ」 「嬉しい。 俺がそういうのしてやんなきゃなのにな。 …にしても、コソコソしやがって」 「んぁぁっ！ やっ、いれる、なっ、やだ！ 今日は嫌だっ」 　いつの間にそんなに解してたんだよっ。 　迅は、俺が白状した事であからさまにしおらしくなった。 　入れる時も、優しかった。 　言った通りすぐにベルトを外してくれて、俺はそれと同時にお腹を濡らして、噛まれてジンジンする乳首にまでそれが弾け飛ぶ。 　我慢して我慢して、限界間近だったのはほんとだけど、俺の体が迅の侵入に不覚にも喜んでしまったんだ。 「うぅぅっ……、んっ、…！」 「雷にゃん嘘ヘタなんだからコソコソするなよ。 俺が雷にゃん縛りてぇのくらい分かってんだろ。 キレるに決まってる」 「…ん、んっ、あぁっ、っ……っ！」 「来年からは二人で準備しよ、なっ？」 「やっ、…あっ…そこ……ぅんんっ…」 「聞いてんの？」 「ふ、……んっ、んっ、んっ、…っ…！」 　いつ、迅に体を反転させられたのか分かんなかった。 　気が付いたら俺は枕を握り締めて喘いでて、迅が背後からガツガツ動きまくっていた。 　迅がなんて言ったかなんて、聞こえてない。 　それどころじゃねぇよ。 気持ち良過ぎて。 　俺のアソコはベルトで封じられてたせいか、解放された喜びでずっとシーツと擦られてそれを濡らしていた。 　迅に喜んでほしいと思って、ペアで買ったネックレス。 　趣味が悪いって思われたくなくて、仕事終わりにダチにいっぱい相談しまくってたっていう顛末を、迅が知ったらまたキレるのかな。 「……雷、好きだよ。 好きなんだからな。 …痛い事してごめん」 「ん…っ、もう…いいよ…」 「浮気するなよ。 ケツ触らせるなよ」 「分かったって！ 迅以外には無理！」 　俺の中で、ゴム越しに射精したらしい迅がいつもの調子に戻ってて死ぬほどホッとした。 　背中から覆いかぶさってきた迅の汗ばんだ肌が、馴染み深くて好きだ。 　俺のピアスを弄ぶ舌が耳全体をペロペロしてきても、許してやる。 　だってこれは、痛くないから。 「どうかなー、雷にゃんおバカだからなー。 知らねぇ間に突っ込まれてた、とかマジでやめろよ？」 「そこまでバカじゃねぇよ！」 「分かんねぇじゃん。 俺は心配で心配でしょうがねぇっつーの。 誰だよ、俺をこんな腑抜けた嫉妬狂いの男にしやがったのは」 「………………さぁ？」 「お前だ、雷！」 　えぇー、俺のせいにすんなよっ。 　って文句は、飲み込んでやった。 　俺がちょっと抜けてておバカなのはほんとだから、迅には心配掛けてんだろうと思う。 それはめちゃめちゃ自覚してる。 　だからさ。 　俺は迅のものだよー 　迅は俺のものだよー 　って、こっ恥ずかしいけど、恋人の証であるお揃いのネックレスを買ったんじゃないか。 　まったく。 　俺おバカだけど、迅の事好きって気持ちは迅にだって負けないんだからな！ 　───こんなこと言ったら、迅に「語彙力ねぇ」ってまた笑われるんだろうな。 　はぁ……ツンデレ迅め。 ─二年目の記念日─終 迅×雷♡ 2 year Anniversary ♡