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第1話

いつも同じ夢を見る。 殺したはずの人間たちが起き上がり、血塗れの姿で自分に向かってくる。 死にたくない、殺さないでくれ、そう命乞いをし手を伸ばしてくる。 逃げようとしても体が動かない。目を閉じたくても閉じれない。 死体たちの手が自分の体に触れたようとした瞬間、 「う、うあ……!」 自分の叫び声で目を覚ました。 見慣れた天井を見上げ、夢だったと安堵する。 体全身が汗がじっとりと濡れ、酷く喉が乾いている。 気怠い体を起こし、キッチンまで行くと冷蔵庫を開けミネラルウオーターのボトルを取り出すと、一気に飲み干した。 ほっと息を吐き、額に手を当てた。 ここずっと、同じ夢にうなされる。 眠る事が怖くなっていた。酒をしこたま飲んで眠っても、夢は見ないが酷い二日酔いになる。飲まないで眠れば、悪夢にうなされる。 そんな日々に彼の精神は壊れかけていた。

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