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第4話

ざわつくヤサに、気付かぬ筈もない。 清吉は、傍に控える若頭の百済に問うた。 「どうした?なんの騒ぎだ。」 百済は、一例し答える。 「はっ。少々下の者が慌てております。新羅に連絡を取って参ります。」 そう言って腰をうかせる。 百済は、新羅の元へ向かった。 厨房に入り、飯炊きの若い衆に新羅の居所を聞く。 「坊の部屋ですぜ。」 あっさりと返答が返ってくる。 「邪魔したな。」 百済は、無言で青の部屋を目指す。 その間にも組の者は、あっちへいったり、こっちへいったり、まるで働き蟻のように慌てふためいている。 「どうした?なにがあった?」 「あっ!若頭!あの、」 「こら、ダメだろ、新羅さんに言うなって……」 「新羅が、なんと?」 「あっ!いや、その……」 「俺は、誰だ?」 「ひっ!竜崎組の若頭、百済景仰さんです!」 「わかってるじゃないか」 にやりと唇の端を吊り上げると、百済はその若い衆に顔を寄せた。 「隠しだてすると、為にならないぜ?」 そっと、低い声で囁く。 「ひっ!ひぃぃぃ!」 「あ、あの、新羅さんに口止めされてるんです!親父には言うなって。。。で、」 「で?」 百済は、一部始終を聞き出すとどすどすと岩のように歩みを進めた。 目指すは、青の部屋。 明かりはついている。 人の話し声がする。 引き戸を引きちぎらんばかりに滑らせる。 部屋には、探していた新羅と、組お抱えの古医者。高句麗(たかくり)。そして、布団に横になる青い顔をした青の姿があった。

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