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第10話

 「どうかしましたか?」 自分の顔を見つめる青に、ゆっくりと問いかける。   「えっと、ご飯は台所で食べるんじゃ……。」  「今日からは、私が部屋へお持ちします。」  「そ、そうなんだ。面倒くさいでしょ?大丈夫だよ、ちゃんと台所行ってたべるか……。」  「いえ、きちんとお運びしますので遠慮なく。」  「そ、そう?ありがとう。」 困ったように青が笑う。  「坊。もう一度はじめから、坊の世話をさせて下さい。」 新羅が、頭を垂れ土下座する。  「ちょ、ちょ、ちょ!頭あげて!新羅さん!」 慌てて布団から出ようとしたら、逆に新羅に肩を抱かれてゆっくりと布団に座り直させられた。 「あのさ、僕、新羅さんに世話される事を断ったりしてないよ?」 「わかっております。」 「じゃあ、なんで?」 「坊は、病を抱えておられます。ですから、今一度最初からお世話をさせて頂きとうございます。」 「病……?」 「はい。」 「何の病気?」 「それは、おいおい。」 「そう……。」 「はい。ご迷惑ですか?」 「ううん!そんなことない、です。」   「宜しゅうございました。さ、冷めないうちに、食べてください。」 新羅に促され、朝食をまだ摂っていたなかったことを思いだし、盆を寄せてきて、箸をつけた。

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