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第23話
雑誌から目を離して祐太朗を見ると、やたらそわそわしている。
「もう一度、ヤる?」
「いいのか?」
僕から誘ってしまった以上、これはもう立派な浮気だ。
だが、秀は祐太朗を試したかった。
彼が本当に、自分を大切に思ってくれているのか確かめたかったのだ。
二言三言会話を交わし、秀は祐太朗の家へ行くことになった。
「おじゃまします」
彼の部屋は、シンプルだった。
ポスターが壁一面に張られ、所狭しと雑貨が置いてある靖の部屋とは真逆だ。
「俺、体が大きいから。無駄なものは返って邪魔なんだよ」
そんな風に祐太朗は言ったが、それだけではない彼の美意識が感じられるようだった。
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