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第28話
「友利くん、友利くん!」
「んぁ?」
光一は、眼を覚まして起き上がった。
いつもの休日は、昼まで寝ている光一だ。
久々の早起きに、今まで木陰でぐうぐう眠っていたのだ。
「はい、クッキー。大林先生に、いただいたんだ」
「おぅ、行ってきたのか。見舞いに」
うん、と寿はうなずいた。
「四つ葉のクローバー、すごく喜んでくださったよ。友利くんのおかげだよ」
ありがとう、と頭を下げる寿に、光一は手をひらひらさせた。
「よせよ。それより、クッキー食おうぜ。腹減った」
「うん!」
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