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 生暖かい、ぬるっとしたものが孔の周りを滑っていく。 「や、何っ」 「お前の精液だよ。解さないと痛いのはお前だからな」  その言葉に、以前屋上で襲われたときの記憶がフラッシュバックする。以前は戸田のおかげで未遂で済んだが、今のこの状況で助けがくることはないだろう。この後に待ち受ける最悪の事態を予想して、顔から血の気がさあ、と引いていく。 「やだ、っひ、やだっ」 「拒否権なんかないぞ」 「やだ、やめろ、やだ、っ……」  幼い子供のように何度も壊れたようにやだ、を繰り返す俺に、赤髪は苛ついたのか後孔に乱暴に指を挿れてきた。 「あぁっ──!」  胎内に異物が侵入してくる圧迫感に、身体は瞬間的に強張り息が一瞬止まる。その様子に気付いたのか赤髪の手が前を擦り、全身に入っていた力が抜けていく。やがて、俺が必要な酸素を取り込むために呼吸を再開したのを確認し、赤髪の指はもっと奥へと入ってきた。 「っぐ……あ、うっ……!」 「後でもっと太いものを挿れるんだぞ」  痛みと圧迫感と不快感に襲われ、俺の脳はもうパニック状態だった。上手く酸素を取り入れられない身体は不規則な呼吸を繰り返し、溢れてくる涙と涎を垂れ流す。そんな折、俺の直腸内で何かを探るような動きをしていた赤髪の指が、ある一点を掠めた。 「ぁああッ!」 「ここか」 「ゃ、そこ、っあぁ!」  楽しそうな声色が響いた後、何度もその一点を引っかかれたり押し潰される。その度に、陰茎を擦られるよりも遥かに強烈な、気絶するほどの快感に呑まれそうになる。 「ぁあ、アッ、ゃあっ!」 「可愛いな……」  耳に当たる熱い息にすら、弄くり回された敏感な体は快感を感じてしまう。自分の身体なのに、自分のものではないような感覚。俺はどうなってしまうのだろうか。 「指増やすぞ」  告げられた言葉を理解できるほどの思考は、既に吹っ飛んでいた。 「あぁぁっ!」  突然先程よりも強い衝撃が来て、必死で衝撃が来た場所を見ると、孔を行き来する指が三本に増やされていた。信じられないものを見たような表情をする俺が見ている前で、赤髪は俺に黒い笑みを浮かべながらぐちゅり、と指を大きく動かす。腸壁を押し広げるような強い圧迫感に吐きそうになるが、またあの狂いそうになるポイントを押さえられ、暗いはずの視界に星のような光が点滅した。 「ゃ、っあぁ! んん……ッ!」  そのまま少しの間、三本の指は蛇のように胎内を這いずり回り、「これくらいだな」という言葉と共にずるり、と引き抜かれた。閉じることを忘れた後孔が咥える物を探してひくついているのが、見なくても分かってしまう。  身体を回転させられ、四つん這いの状態にさせられる。赤髪の方からガチャガチャと金属の擦れる音が聞こえ、体の重みで感覚がほぼ無くなった腕に微かに肌が触れる感触がした。その直後、赤髪の方に突き出した菊門に、熱くて濡れたものが触れる。

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