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第6話 [R-18]

 ジェイはためらいながら膝を立て、もたつく指をズボンの裾をくくる紐にかけた。 結び目を解くのに手間取っていると、 「……貸してみろ」 見かねたように、シウが横から手を貸す。 「ん……」 ジェイは熱にまかれて気だるい身体をシーツに投げ出し、シウの手に身を預ける。 大きく、器用な指で絡み付いた衣服をすべて剥ぎ取られると、未熟で華奢な身体は月明かりに晒されて、熱っぽい薄紅に色づいた胸の尖りと、脚の間の控えめな昂ぶりがあらわになった。 期待に満ちたジェイのものは、シウの視線を浴びるだけで、ぴくりと跳ねて、先端から小さなしずくをにじませる。 ジェイは昂ぶっている身体をわずかでも隠そうと、ころりとうつ伏せになってシーツを引き寄せた。  シウはかすかに笑い、きっちりと着込んだ自分の上着の襟に手をかける。  いたたまれなさから枕に顔を埋めてみても、ぴんと立ったジェイの耳は、身体の上から聞こえる衣擦れをはっきり聞きとってしまうのがひどく気恥ずかしく、厄介だった。 ぱさりと微かな音を立てて、シウの上着とシャツが床へ払い落とされる。  上半身裸になったシウは、細い体に巻きついたシーツをたやすくはぎ取って、改めてジェイの背に覆いかぶさった。 「ぁ、……っ!」  ジェイはびくりと耳を伏せ、細い背をこわばらせる。裸の背中にシウの引き締まった胸板が触れ、ジェイよりも少し高い肉食獣の体温と、力強い鼓動が伝わってくる。 「……ジェイ」  シウは柔らかな跳ねっ毛に鼻先を埋め、細い首筋にくちづけて、尖った牙をこつりと当てた。 身をすくめたジェイを宥めるように、何度も名前を呼び、掌で背中を撫で下ろす。 「ジェイ」 「し、う」  ジェイが戸惑いがちに呼び返すと、シウは青い目を細め、正解だ、とでもいうように浅く頷く。  わずかに湿ったシウの唇が背すじのくぼみを辿って、とん、とんと足跡をつけるように押し当てられ、下へ降りていく。 「可愛いな……」  シウはわずかに笑いを含んだ声で、緊張して震える丸い尻尾を指先でつんと摘まみ上げた。 軽くふわふわとした綿毛を撫で付けると、おもむろに口を開け、ぱくりと口に含む。 「ひッ! んぁ、なにっ、ぁ……っ!」  狼の大きな犬歯が、唾液に濡れて束になった毛をかき分ける。 経験のない恐怖と快感にぞわりと背骨を撫でられて、ジェイは引き攣った悲鳴を上げた。 「シ、ウ……!! それっ、しっぽ、やだぁ、っ……!」 ジェイは大きな目を見開き、涙を浮かべて首を振る。 獣人の尾は急所だ。 どんな種族にとっても敏感で重要な器官で、おいそれと他人に触れさせはしない。小さな尾を持つジェイは、普段から衣服の下に隠して、庇っているくらいだ。 そんなところを狼の牙で噛まれたら、きっとひとたまりもない。 怯えて身を強張らせるジェイをよそに、シウは柔らかい毛並みを舌で撫で付け、丹念に愛撫に徹した。  ざらついた舌が毛並みを逆撫でして、伝い落ちた唾液が、敏感な地肌を濡らしていく。 「ん、ぅ……、や、だってばぁ……!」 必死に首を振ってもがいていたジェイの声にも、甘さが濃くなっていく。 「そうは、聞こえないな」 「ひ……ぁっ、ん!」  シーツを掴んだ指から力が抜け始めると、シウは不意を衝くように大きな牙を当てて甘噛みして、またジェイの身体を跳ねさせる。  銀狼は愉しげに三角の耳を震わせ、笑み交じりの吐息をこぼすと、仕上げとばかりに、ちゅうっ、と音を立てて、口に含んだ尻尾を根元から吸い上げた。 「やっ、ア! は、ぁあん……~~っ!!」 痛みに近いほどの快感が、尾骶骨から幼い性器まで、下肢を鋭く貫く。 ジェイは高く悲鳴を上げ、がくんと肘を折ってシーツに倒れこんだ。

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