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第19話
いつもなら突然現れてまとわりついてくる圭の姿が、今日は見えない。
どうしたんだろうと、隼は圭の家へ行ってみた。
なんと、寝室で寝込んでいる。
本当に病気になってしまったのは、連日お医者さんごっこをしたせいかと、隼は少し責任を感じた。
「風邪、ひいちゃった」
うっすらと赤い頬に、熱のせいで潤んだ瞳をしている。
これはまた色っぽいと、隼は不謹慎なことを考えてしまった。
「隼、治療して」
「何ッ!?」
僕の知らない事を、いっぱい知っている隼。
彼なら、本当のお医者様のように治してくれるような気が。
いや、きっと治してくれると、圭は信じ込んでいた。
「お薬は、苦いからヤだ。でも、隼の治療は、気持ちいいから」
それはその、と隼は困った。
だが、あれは治療でも何でもなく、スケベ心からくるエロい事なのだ、とはとても言えない。
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