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第18話
恐る恐る、擦りだす圭。
隼の背筋に、鋭い震えが走った。
「下から上に向けて、もう少し強く擦ってください」
「こうですか?」
「そう、巧いですよ」
擦るうちに、隼のものはどんどん硬く大きくなり、ぐいぐい勃ち上がってきた。
形も変わったような気がする。
すっかり眼が離せなくなった圭は、それを覗き込みながら夢中で擦っていたが、突然その先から何かが勢いよく飛び出してきた。
「ひゃッ!」
「はぁ……」
顔にかかった生温かくて白い液体は、これまで嗅いだことのない不思議な匂いがする。
「これは……何? 隼」
「風邪のバイキンだ」
出てしまったからもう大丈夫だ、と隼は笑った。
今日の治療はここまで、と廃屋を後にした。
やっぱり隼は、僕の知らない事をいっぱいいっぱい知ってるんだな、と圭はスキップをしながら帰った。
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